東洋医学での冷え性のツボは体中のあちらこちらにありますが、その代表的なものを見てみましょう。
ツボ押しは自分自身でも簡単に刺激することができるツボと、専門的な知識と技術が必要なツボがありますが、今回は誰でも比較的容易に押すことができるツボを紹介していきたいと思います。
手足にある冷え性に効くツボをご紹介!
まずは場所を選ばず誰でも簡単にできる冷え性に効くツボは手の部分になります。
手のツボでは『陽池(ようち)』というポイントがあります。
具体的に陽池の場所は手首の甲の側にあるツボで、手首の線の真ん中あたりのくぼみにあります。
このツボは冷え性やのぼせに効果がありますが、自律神経のバランスを調整し、血液循環を促進する働きのほか、様々な症状に有効なようです。
指先で3~5秒押しては離しを3~6分程度続けます。
手の甲同士をこすり合わせても効果的です。
足にあるツボを刺激して冷え性改善!
次に下半身、特に足部分にあるツボを紹介したいと思います。
両足の小指、爪の生え際の外側にあるツボ。
このツボを刺激することで血液の流れがよくなり体全体を温めます。
冷えのぼせや頻尿、肩凝りや便秘などに効果があると言われています。
足の小指を手の親指と人差し指で挟んで刺激することで血流をよくします。
ふくらはぎの内側、内くるぶしから指の幅5本分ほど上にあり、親指で押すと痛い部分です。
このツボを刺激することでむくみや足の冷えが和らぎます。
足の血流が良くなりますから下半身だけでなく上半身も温まります。
親指でやや強めに5秒ほど押して、それを5回ほど繰り返します。
足の甲側の、親指と人差し指の骨が接合するところにあり、押すと痛みを感じるツボです。
このツボは更年期障害や、冷え性(足先の冷え)、のぼせ、耳鳴りなどに効果があります。
また、脚痩せにも効くと言われています。
足の内側の、内くるぶしから指四本分ほど上にあるツボ。
このツボは冷え性や生理痛、冷えのぼせやむくみなどに良いといわれています。
特にこの三陰交にはさまざまな効果がありますから、軽く指で押したり、マッサージしましょう。
次にツボを押さえるときの注意ですが、冷え性の症状がひどくても、強く押すと周りの筋などを痛めてしまう危険性がありますから、少し痛い、と感じる程度の力で押しましょう。
そして、ツボ押しに向いている時間は風呂上りです。
シャワーだけでなく、必ず温かい湯に全身で浸かって、血行が良くなった時にツボを押すと体がほぐれていますから、力を余りかけずに全身をマッサージすることができます。
日光浴が冷え性に効果あり?その方法とは?
足の裏日光浴で、辛い冷え性も驚くほど改善されることをご存知でしょうか。
昔から日光浴は健康にいいと言われていますが、実は冷え性の改善にも大きな効果を発揮します。
冷え性は手先や足先の末梢血管が収縮し、血液の流れが悪くなったために起こる場合が多く、ひどい人では手足や腰に氷の入ったビニール袋を押し当てられているように冷えています。
従って、夜は寝床に入ってもなかなか寝つくことが出来ない人も少なくありません。
ところが、このような症状の人は、昼間足の裏に太陽光線を当てる日光浴を行うだけで、冷え性がずいぶん楽になるものなのです。
日光浴が冷え性に効果がある理由の一つには紫外線の働きが大きいと考えられています。
紫外線には殺菌作用や体内でのビタミンDの生成を促す作用が知られていますが、冷え性との関連で注目したいのは紫外線による新陳代謝の促進作用です。
足の裏を日光に当てることで足の裏の新陳代謝が促されます。
そして、足の裏の新陳代謝が活発になるということは、足の裏の血行が盛んになるということです。
末梢血管の血行がよくなると体全体の血行も活発になりますから、体全体が温まってきます。
さらに、足の裏には全身の各臓器と関係の深いツボが沢山集まっています。
ですから、紫外線によって足の裏のツボが刺激されれば、各臓器の働きも促進されることになります。
この一連の関係で全身の血行がより一層スムーズになりますから冷え性が軽減・解消されるようになるのです。
足の裏のツボで特に重要なのが、土踏まずにある湧泉というところです。
東洋医学で冷え性は、持って生まれた先天の気が衰えた状態であると考えています。
湧泉はこの先天の気を高める作用があり、このツボを紫外線で刺激することで冷え性がよくなると考えられています。
さらに、太陽光線中の赤外線も冷え性の改善に大いに役立ちます。
赤外線は温熱効果のある光線で、ひなたぼっこが温かくて気持ちがいいのはこの赤外線のお陰なのです。
足の裏を日光に当てれば、この赤外線で冷たい足も温まり易くなります。
そして十分に中まで温まった足の温かさは、体内の内臓までも温めることになるのです。
足指マッサージと体操で冷え性対策
日光浴のほかに自分でもできる冷え性対策で、足指マッサージと体操があります。
柔らかい木綿の靴下を細かく縦に切って、足の指の間に通して、足指を1本ずつ乾布摩擦します。
あまり強く力を入れないで、肌を傷めないようにベビーパウダーをつけておくのもいいでしょう。
この乾布摩擦マッサージは片足で2分間ほど、朝と晩の風呂上がりに丹念に行なえば、1ヵ月ほどでかなりの改善が見られるでしょう。
お風呂には血行促進効果を促してくれる薬用ホットタブ重炭酸湯を入れて入浴するとさらに冷え性対策になります。
乾燥したヘチマで冷えを感じている皮膚を直接こすって刺激します。
痛みを感じる場合は、お湯でヘチマを少し濡らして柔らかくしましょう。
このヘチママッサージは1日に何度行なっても大丈夫です。
椅子などに坐って、足の指でグー、チョキ、パーのジャンケンをします。
左右別々に10回ずつ、両足を一緒に10回ほどしましょう。
慣れてきたら、左右バラバラにしましょう。
ゆっくり、足先を意識しながら左右3~5回ほどまわしましょう。
それから足の指の間に手の指を挟んで10秒間、そのまま10秒ほど手で足の指を握ります。
横になって、背伸びして全身のストレッチをします。
息を吸いながら(5秒ほど)爪先を伸ばし、息を吐きながらリラックスします。
この動作を数回、ゆっくりと行いましょう。
自分でできることはまだあります。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売っている粗塩(あらじお)で両側の足指のマッサージを行ないます。
これは食塩では駄目で粗塩に限ります。
足の指先に塩をつけてマッサージすることで、足の指先にある血管を取り巻く自律神経を刺激することができるので、バランスが崩れている全身の自律神経の働きが整い、足の指先の温度が上がります。
マッサージ前の温度と10分後の温度の差が5℃近くもある場合が見られますが、マッサージの直後よりも時間の経過とともに足の温度が上がるようで、2時間以上足の温かさを保つことが出来ます。
入浴後にこの体操やマッサージをすると、より冷え性対策としての効果が上がります。
ぜひ試してみてください。