冷え性になる人はなにか共通した特徴があるのでしょうか。
人種、職業、年齢、地域、季節と冷え性の関係性を調べてみました。
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冷え性になるのは日本人だけ?冷え性になりやすい人種って決まってる?
人種と冷え性を考える前に、人はだれでも自分の平均体温を把握しているのでしょうか?
医学大辞典を参照しますと日本人の体温の平均は、36.8度±0.34度とありますから、大体36.5~37.2度です。
上のほうの37.2度は考えていたより高いと思うのではないでしょうか。
ところが現代人の体温は36度前後の人が多いようです。
現状では高い人でも36.2度程度で、30代以下の女性には35度台の人が多いのです。
最近の若い人は昔の人より肌がカサカサで硬く、肌の老化が早いと言われていますが、これは社会環境の変化や、若い頃から化粧をすると言うような外的要因だけでなく、体の内面にも原因があるのです。
ところで、人種によって体温は違うと言われています。
一般論ですが白人は、黄色人種に比べて体温が高いので、私たちが肌寒いと思うような場所でもTシャツ1枚で平気な顔をしている人が多いようですし、皮膚の感じもかなり違います。
体温がもともと高ければ冷え性になりにくいのかもしれません。
したがって白人系の西洋医学では冷え性の概念が確立しないのでしょう。
別の見方では、美容意識が高いのが韓国です。
韓国の人は日本のように化粧品に頼るのではなく、老若男女を問わず汗を出して体の内側から美しくなることが基本的な考え方だと言われています。
韓国では漢方食やサウナが普及しているということからも納得できますが、美しくなるために血の巡りをよくするという考え方が行き渡っているのです。
元来、物体は冷えると硬くなるという性質があります。
それと同じで、人間も寒い場所に長時間いると体が固くなります。
それが一時的な寒さなら温めれば元の柔らかさに戻りますが、冷え性による慢性的な冷えは老化現象の原因になるのです。
そして、冷えは体全体の新陳代謝を低下させるために細胞の動きが弱まり、様々な病気にかかりやすくなるのです。
細胞が硬くなる病気には、動脈硬化、心筋梗塞、脳こうそく、子宮筋腫、卵巣のう種、果ては癌と恐いものばかりです。
何だ、ただの冷え性かなどと絶対に冷え性を軽視するようなことは危険なことだと理解しましょう。
冷え性になりやすい職業ってあるの?冷え性と職場環境の関係性
冷え性の人は何か特有の職業についているとか、その人が働く職場環境と関係があるのでしょうか?
結論から申しますと、全くその間に関係はありません。
しかし、直接的な関係は見られなくても、間接的な因果関係は十分考えられるのではないでしょうか。
冷え性になる原因は、主にホルモンバランスの崩れや、ストレスなどから来る自律神経の乱れ、偏食気味などの食生活の乱れ、さらにはタバコの吸いすぎや生活習慣全般の好ましくない環境などがあげられます。
したがって、冷え性ではなかった人でも、その職業が変わったり、職場の環境が激変するとホルモンのバランスに異常を来たすことは十分考えられます。
さらに、いままでは居心地が良かった職場から栄転したといっても環境が変わり、ストレスがだんだんと体内に蓄積されて行くこともあるでしょう。
今までは暖かい地方での職場が寒い地方への転勤になったりすると体温調節が思うようにならないこともあります。
それまでは自宅から職場に通っていたのに、単身赴任になり、食事は全て外食で好きなものしか食べなくなり、風呂へ入るのも適当になるし、寝る時間も不規則になります。
このような隙間を狙って、冷え性が体内に潜入してくることは目に見えています。
職業もそれまでの内勤のデスクワークから外回りの営業になったりすると、その人の毎日の行動は一変してしまうでしょう。
この日常行動のリズムの変化が体調に影響しない訳にはいきません。
朝、昼、晩の食事の内容も変わってくるでしょうし、食べる時間帯も不安定になるでしょう。
反対に、それまでは性に合った外回りの営業職だったのに、今ではデスク勤務で、おまけに夏の暑い日々はエアコンの冷房ががんがん効いている部屋で座りっぱなしなどということでは、体温調節はままならないでしょう。
このように、生活環境や職場環境が冷え性と関係することは否定できないのですが、ある特定の職業の人に冷え性が多いとか少ないとかということは無いようです。
強いて言えば、職業そのものよりも職場の環境がその人の体調を左右して、その結果として冷え性になると考えた方が良いでしょう。
裏返せば、その逆のことも言える訳で、職場環境が体調に合って冷え性が知らず知らずに改善されることも考えられます。
年齢は冷え性と関係がある?冷え性になりやすい年齢について調べてみました
冷えと年齢の関係は気になることでもあり、関係がありそうにも思えますが、基本的に冷え性と年齢は関係がないようです。
自然現象の一つとして、人は年を重ねると代謝や体温調節機能が衰えてくるのは防ぐことは出来ません。
また、年齢を重ねると、血行を改善する働きのあるビタミンEが不足してきますが、ビタミンEは人体の中では生産できません。
このような現象が年齢と冷え性に関係あるのかもしれませんが、今のところ医学的に解明されるのには至っていないようです。
ある医学博士によりますと、現在の日本人女性のほぼ100%が何らかの冷え性だと言われています。
これは言い方を変えれば年齢には関係がないということになります。
漢方や東洋医学では、冷えや冷え性は血、水、気の3つの人体の必須条件に異常を引き起こします。
そして、年齢我進むにつれて冷えの症状が血から水、さらには気へと進むのだそうです。
まず20代では、血の異常が起こります。
手先や足先はもとより、お腹やヒップが冷たくなり、さらに体が冷えることで生理痛や生理不順など、生理に関係した不調や下痢、首や肩の凝りになって冷え性が現われます。
次に30代では、水の異常になります。
女性の厄年のあたりがこの水の異常ゾーンに入る境目のようで、内臓など目に見えない部分がむくむことで胃腸の不調や頭痛、めまいなどを引き起こします。
さらに40代になると気の異常になります。
自律神経の働きが鈍くなり、動悸や息苦しさ、不眠やイライラ、うつ症状や集中力の低下など、体と心がだるくなるのが気の異常です。
そして、更年期以降の50代では、血・水・気のすべての異常が感じられます。
更年期を過ぎためまいや頭痛、吐き気さらには抜け毛、倦怠感など、20代から40代までの症状が複合的に現われてきます。
そして、冷え性は自然に治癒したり改善されることはありませんから、20代、もしかすると10代から冷えを自覚して改善する努力をすることが必要だということが分かります。
冷え性になりやすい地域はあるのか?地域性と冷え性の関係について
冷え性の人は、寒い地方に多いのではないかと考えたくなるかもしれません。
冷えた空気に人体は晒されれば当然寒く感じて、体から熱が奪われていくのが分かります。
冷え性の人の手先や足先は氷のように冷たくなりますから、やはり寒い地方の人に冷え性が多いのではないかと思いたくなります。
しかし、実は冷え性と地域性とは全く関連がないのです。
寒い日に外から帰ってきて暖かい部屋にいます。
そうして体を暖かくしてもう随分時間が経っているのに、手と足の先が冷えたままです。
「寒い、寒い」と両手をこすり合わせている人が冷え性です。
一緒に外から部屋へ帰って来た別の人はもうすっかり体が温まり、シャツ1枚でも寒いとは感じません。
そして、これは寒い北海道や東北地方でなく、関西地方でも起きる話なのです。
このような例は、常夏のように思われる沖縄でもあるのです。
冷え性は地域左右されるものではなく、気温によって決まるものでもないのです。
この「寒い、寒い」といつまでも手先や足先が冷えた状態の人は、外からの寒さによってそうなるのではなく、体の中の機能が異常を来たしているからなのです。
冷え性は風邪やインフルエンザのような病気ではありません。
しかし、風邪やインフルエンザに地域性がないのと同様、どこに住んでいてもこの症状を訴える人はいますし、男性、女性にも関係ありません。
そして、この冷え性をそのままにして我慢していると、不眠症や便秘、反対に下痢、肩こりや腰痛、女性の場合はひどい生理痛や生理不順、さらには女性の大敵である肌荒れや吹き出物の原因にもなっていくのです。
このように考えると冷え性は恐ろしい現象(症状)ですが、服用して効くような特効薬はありませんし、塗り薬などもありません。先に述べたように、冷え性と地域性との間では関連はありません。
暖かい地方に住んでいる人でも、不規則な生活習慣が積み重なると冷え性になる可能性が極めて高いのです。
冷え性は体内の血管を通して人体の隅々まで流れる血流に異変が起きたり、自律神経という神経系統の乱れなどが主な原因だからだと考えられています。
そして、もちろん体の中から冷やさないようにすることが大切ですから、冷え性にいいとされる食物などでの冷え性改善は可能ですし、適度な正しい運動で体を動かして体内の血流を促進することで、冷え性を改善するように心がけましょう。
季節によって冷え性になりやすい・なりにくいってある?季節でみる冷え性きせ
普通に考えると、冷え性になるのは寒いからだと思いがちです。
事実、北海道にはリラ冷えと呼ばれる日があります。
6月の初め頃、暖かい陽気の日が続いてもある日突然気温が下がって10度ぐらいの気温の日になったりするのです。
リラはライラックのことで、6月になると札幌市ではどこでも見ることのできる花ですから、もう雪が降るような季節ではありません。
逆にもう春も過ぎていて夏が来る季節です。
しかし、もう夏がすぐそこまで来ているような季節でも、空気が冷たく、空はどんよりと曇っています。
そこで、室内はエアコンの暖房で暖められます。
しかし、冷え性の人にはエアコンの暖房では本当の意味で体を温めることはできませんから、薄ら寒い外から暖かい部屋に入っても体の芯からはなかなか温まらないのです。
ところで場面は変わって、真夏になり、場所も北海道の札幌市ではありません。
外は強い日差しで気温はうなぎ登りに上がっていますから、エアコンの冷房を強めにしています。
このように冷えた部屋に汗をかきながら外から帰って来た人の体は、気温差が激しいために体温の調節が難しい場合があります。
この時が要注意で、このようなことがきっかけで冷え性になることもあるようです。
冷え性と季節の関係では、強いて言えば特に冷え性に注意が必要なのは冬と夏でしょう。
どちらも外気と室内の温度差が大きく、体温の調節が難しい季節です。
夏は、外は暑いのですが室内や電車内、自動車の中などでは冷房が効いています。
逆に冬は外が寒く、室内は暖房が効いています。
そうすると屋内と室内の温度差が激しいので、体温調節が難しくなり、その結果として血の巡りが悪くなり、冷え性になる危険性があるのです。
冬はもちろんですが、夏の冷え性対策としては冷たいものばかりを食べないように食生活に気をつける事、夏だからと簡単なシャワーで済ませるのではなく、40度程度のお湯の浴槽で体を温める事、そして、適度な運動を心がけることです。
現在冷え性の方もそうでない方も、入浴の際は薬用ホットタブ重炭酸湯を入れるとより冷え性対策ができるので、1度試してみる価値ありですよ。